私達家族は毎年盆と正月になると私の実家に行き、私の両親と一緒に地元の温泉に行くのが恒例となっていました。
夫を残して帰省することが許されない私にとって、温泉だけが母との語らいの場でした。
結婚2年目の帰省で温泉に行った際、母は私の腰の辺りにある大きな痣を見つけ、言いました。
「何があったか知らないけど、あと一年頑張れ、そしたら子どもは今よりも成長して(一人で育てるにしても)楽になってるから。」
私の性格を知る母には、私が日常的に暴力を受けていながらも、弱音を吐くこともなく人知れず堪えていることなどお見通しだったのでしょう。
しかし、決して「離婚しなさい」などとは言いませんでした。
以来、母は私たちが帰省した際、そっと私の耳元で「あと一年頑張れ!」と囁きながら見送るようになりました。
「あと一年・・・、あと一年・・・」そう自分に言い聞かせて頑張ってきたのですが、”もう限界”と悟る日は結婚8年目にやってきました。
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