やはり更迭

夫の仕事も新店舗開設から1年半が過ぎ、社内の支店としては上位の業績をおさめる程になりました。

その功績を讃え、私たち家族に会社からゴールデンウィークの海外旅行をプレゼントされました。

旅行先は憧れのオーストラリア。

私も娘達もコアラに会えることを楽しみにしていました。

が、その旅行を2カ月後に控えたある日、夫が本社に呼び出されたのです。

「海外旅行を辞退しなさい!」

その理由の一つは経費の使用についてでした。

これについては夫から詳しくは聞いておりませんでしたが、私にも思い当たる節がありました。

例えば、支店長車というものをあてがわれるようになったのですが、深夜に帰ることが多くなりました。

営業の部下を引き連れて飲みに行ったとよく聞かされていましたが、その飲食代も経費で賄っていたのでしょう。

疑問を感じた支店経理側から本社への密告だったようで、それを受けた本社側では、嘗て私を退職へと追い込んだお局も関与しているとのことでした。

となるとまさか、支店長になって届いたあの牛柄の段ボールも?と思い、聞いてみるとやはりそうでした。

その他、もっと大きな問題があったようですが、それについては何も明かされませんでした。

それからというもの、「酒は外で飲むもの」と言っていたはずの夫は、自宅のソファーで毎晩遅くまでお酒を飲むようになりました。

時にはオーバーアクションをまじえて独り言を言ってみたりと、かなり身に堪えた様子でした。

数日後、本社営業部へ転勤が決まり、事実上、支店長更迭となったのです。

すっかり天狗になっていた上にモラルの欠片もない夫でしたから、”身から出た錆”という言葉がぴったりだと思いました。

支店開設から約2年、夫は自らの不祥事により再び普通の営業マンとなったのです。

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