夫の不思議な癖、それは単なる癖では無かったようです。
結婚後に知ったのですが、夫が5歳頃、父親の浮気が原因で両親が離婚し、その後にチックと呼ばれる症状が表れたようです。
近所の内科の医者に相談したところ、「結婚して幸せな生活を送るようになれば治りますよ」と言われたそうで、義母が私達の結婚の報告を受けた時に流した涙の意味がこの時ようやくわかりました。
それが事実だとしたら、結婚しても治らないのは私が原因なのか、離婚したら治るのではないかとずっと悩んでいました。
当時の状況としては、2~3ヶ月ごとに夫の身体に新しい癖がおとずれ、次はどんなことをするのか?不安よりも恐怖に似たものが常に私の中に存在にしていました。
しかし、不思議なものでこんなにも私を痛めつけてきた夫なのに、夫の言動に苦笑する人を見ると心から悲しくなり、それ故に夫に対しては何故治そうとしないのかという怒りさえ湧きあがってくるのです。
ネット上の掲示板には、同じような症状をもつ子どもの母親や、社会人となった本人からの多くの書き込みが寄せられていました。
どれを読んでも夫の症状と同じで、「ジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群 」と書かれていました。
中には私のように夫の症状についての悩みも寄せられいて、彼女もまたご主人から暴力を受けているとのことでした。
それについて「確かに人を人を傷つけたくなる事は頻繁にある」とのコメントも寄せられていました。
夫の暴力はここから来ていたのかもしれない、一番辛いのは夫自身だったのかも。
これらの情報を得たことで、私の心が一気に晴れ、これから妻としてどうしたら良いのかという気持ちの転換ができたのです。
それからというもの、夫の障害を治してみせるという一心で、ありとあらゆる治療方法を試しました。
結局どれも効果は見られず、殴られることを覚悟の上で勇気を出して診療内科へ行くよう説得しました。
その結果、近所の診療内科へ二度程通院してくれましたが、医師の認識不足もあり、処方された薬があまりにも強くて仕事にならないとの理由でやめてしまいました。
最後は神頼みしかありませんでした。
私にできることは全てやり尽くした時、私の中で何かが変わっていることに気付きました。
幸い夫は普通に社会生活を送れる訳で、私はこれ以上何を望んでいるのか、自分が気にしなければ良い!元気ならそれで良い!そう思えるようになったのです。
P.S 正直なところ、このブログを始めるにあたり、この事を書こうか書くまいかギリギリまで迷っていました。
この障害で悩んでいらっしゃる方々やご家族の皆様に不快な思いをさせてしまったら大変申し訳なく思っております。
しかし、このブログを読んで下さった中で、私と同じ経験で悩んでいる方が一人でもいたら、何かのお役に立ちたいという思いと、この障害が一人でも多くの方々のご理解を得られるのであればという強い思いから書かせて頂きました。
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