主役は花婿

両家の紹介と写真撮影を終え、披露宴会場へ向かいました。

既に控室には招待客に交じり司会者となるコメディアンS・Mが打ち合わせをしていました。披露宴会場の入り口で招待客のお出迎えを済ませ、私達も新郎新婦席に着席し会場を見まわしました。

私側の親類は、両親の兄弟夫婦だけでも18人、祖父母の兄弟やいとこを合わせても30名以上にもなりました。

その為、新婦側の4つの丸テーブルは、どこもすし詰め状態となっていたのです。

一方、新郎側の親類は母親側しかいないので、ご近所の方や義兄の彼女などあまり関係の無い方を必死にかき集めながらも、スカスカ状態で7テーブルを埋めていました。

テーブル数を7:4と新郎側としての威厳を保ちたかったのは義母の意地でもあり、改めて男尊女卑の精神を見せつけられました。

司会のS・Mにより披露宴は順調に進行しました。

そんな中、私の友人が夫のリクエストしたサマーキャンドルを歌いました。

すると涙している私に対して夫からの信じられない一言が。

「おい、今のうちに食え!早く!こうゆう時に食うんだ!」と言いながら夫は口いっぱいにパンをほお張っているのです。

そのような夫のデリカシーの無い言動は、後日見たビデオにしっかり記録されていましたが、本人は特に気に留める様子はありませんでした。

洋装へのお色直しとキャンドルサービスも滞りなく済み、最後の両親への花束贈呈となりました。

その際、司会者から読み上げられた義父からの電報にオイオイと泣きながら歩く夫の姿や、女手一つで育てた義母の言葉は、会場の涙を誘いました。

もともと義母が依頼した司会者のためか、どう考えても主役は新郎側であることを前提としているような気がしてなりませんでした。

義母においしいところを持っていかれた感ばかりが残り、披露宴は無事に終了したのです。

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