初めての身体的暴力

アメリカの心理学者レノア・E・ウォーカー氏が発見したドメスティック・バイオレンスの周期には、「ハネムーン期」「緊張の蓄積期」「暴力の爆発期」の三つの局面からなるサイクルがあるそうです。

(人によって周期の長さも異なり、三つの局面全てが表れるわけではありません)

私の場合、これまで婚約から結婚準備においての「ハネムーン期」~「緊張の蓄積期」を経て、この最初の「暴力の爆発期」が訪れたのがちょうど妊娠初期の頃でした。

その頃、下町で生まれ育った夫は高級住宅街に住むことへの憧れを抱いていたようで、たまたま田園調布に近い場所にある会社の社宅が一部屋空室になることを知り、そこへの入居を強く希望するようになりました。

しかし様々な理由から私が反対したところ、夫はいきなり暴力行為へと及んだのです。

~以下、陳述書より~(尚、ここでの「原告」とは夫です)

『私が様々な理由で反対したところ、原告はいきなり私の髪をつかみ居間の床を引きずり回した挙句、10㎝程高くなっている寝室へそのまま引きずり上げ、私は腰を強打したのです。中略
それでも、子どもが生まれたらきっと変わってくれるだろうと信じておりましたが、原告の暴力は一向におさまらず、私は、暴力を受ける度にベランダに出ては泣いておりました。また、出産を2カ月後に控えた身重の体で、暴力を振るった夫が寝静まるまで、深夜の街をさまよい歩いたこともありました。』

当時、まだDVという言葉すら一般的に知られておらず、警察が関与しない以上このような状況に至っても耐え忍ぶことしかできませんでした。

夫がいつか変わるだろうなどといった甘い考えや、一人で子どもを産み育てることへの不安もあり、何も出来ないのが現実でした。

DV法が施行された現在では、自身がDVの被害者であることを認識したら早い段階で相談し安全を確保することを優先しています。

「結婚とは忍耐」とはもはや昭和の言葉ととらえ、「どんな暴力も許さない!」という平成であってほしいと思います。

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