翌日、私達は新婚旅行先のハワイに向けて出発しました。

同じツアーに参加したＹ夫妻と現地の空港で合流しオアフ島での行動をともにしました。

年齢的には私達とは変わらないご夫婦で、初日から数々のハプニングにみまわれ、忘れられない新婚旅行になったに違いありません。

合流後、私達は他の日本人ツアー客数名とともにマウイ島のショッピングセンターに立ち寄ったのですが、Ｙ夫妻だけ集合時間になっても戻らず置いて行かれてしまったのです。

私達はそのままさとうきび列車に揺られた後、宿泊先のホテルにチェックインしたのですが、到着から１時間後、ホテルのロビーでクタクタになって到着したＹ夫妻と再び合流できました。

ご心配をおかけしたお詫びにと先程のショッピングセンターで購入したカレンダーを頂きました。

更に翌日、ホテルのプライベートビーチでシュノーケリングをしているＹ夫妻のご主人の姿が。

しかし、波打ち際で様子がおかしいと思った私達は声を掛けたところ、なんとご主人が結婚指輪を落としてしまったというのです。

しばらくすると保険会社への連絡を済ませカンカンになって戻ってきた奥さまが一言。

「たしかその指輪、私がお金払ったのよね！」

そんな事を言われ水中に突っ込んだまま顔を上げられないご主人がいました。

さらに翌日、オプションツアーで行ったモロキニ島へ向かう船（プリンスクヒオ号）の船上で、ご主人がトイレにウエストポーチを置き忘れてしまったのです。

幸い直ぐに気付いて取りに戻ったので無事だったのですが、堪忍袋の緒が切れた奥さまから「しっかりしてよ！」と一喝され、さらにご主人が小さくなっていました。

Ｙ夫妻とは連絡先を交換してマウイ島の空港でお別れとなりました。

その後Ｙ夫妻とは別居するまで毎年欠かさず年賀状で近況報告をしていました。

数回の転勤の後、私と同じ市内に素敵な家を構え、息子さんと３人で元気に暮らしているそうです。

いつまでもお幸せに。