浮気相手への慰謝料請求の流れ|請求金額の相場・必要な証拠

パートナーの浮気に気付いたとき、あなたの脳裏には様々な思いが巡っていることでしょう。とりわけ浮気相手に対しては慰謝料請求をしたいと思うことは当然のことです。

しかし、そこにはどんな労力や費用そして精神的苦痛が伴うのか想像もつかず手を拱いてしまうのではないでしょうか。

そこで、浮気相手に対する慰謝料請求についてよくある疑問を解説いたします。

慰謝料請求するための流れ

実際に慰謝料請求を行うまでの流れを順番に解説していきます。

Step1 事実を確認する

本当に浮気しているのかぼんやりとして断定できない場合や持っている証拠資料が不法行為を立証するには不十分と思ったら、探偵業者に調査を依頼し、決定的な証拠を踏まえた事実確認、浮気相手の身元(住所、氏名、勤務先)等の情報を掴んでおきましょう。

Step2 今後の対応を決意する

事実関係が判明したら、今後自分はどうしたい(どうなりたい)のかを明確にしましょう。関係を修復すると決めた場合、パートナーに対しては話し合いの後浮気の再発に備え「念書」を残すことをお勧めします。

内容として起こった事実(どこの誰とどの位の期間何をしたか)と謝罪、再び同様のことが行われた際の取り決め等を記載しておきましょう。

浮気相手に対しては、弁護士を通じて電話や内容証明郵便で警告する方が良いでしょう。関係修復は、様々な葛藤に苦しめられるというまさに自分自身との戦いです。

パートナーの過去の過ちをいつまでも追求することは関係の修復はおろか誰も幸せにはなれません。腹を括って水に流すことが必要です。

Step3 弁護士を探す

浮気相手を許すことができず慰謝料請求書を決意した場合、不貞の証拠が収められた探偵業者の調査報告書や現時点で証拠となり得るもの(不貞を裏付ける内容のLINEや画像、音声データ)が有れば、それを持って弁護士に相談しましょう。

資力に問題がある人は法テラスや自治体(市区町村役場)が無料相談を利用するほか、弁護士会をはじめとする各種の団体が主催する法律相談を利用しましょう。

因みに、行政書士が業として法律相談をすることは、本来、違法ですので注意が必要です。

弁護士を探すポイントとして、第一離婚分野を得意とするほか、管轄の裁判所や生活圏の中で探すのがベストでしょう。

第二にコミュニケーションが取れる弁護士であることです。中には相談者の話すらきちんと聞いてもらえない弁護士も存在するので、何人かの弁護士に会って今後長くお付き合いできる弁護士かどうかご自身の目で判断することをお勧めします。

Step4 弁護士との代理人契約と今後の対応を協議する

信頼できる弁護士が決まったら代理人契約を締結します。自分の求める主張(慰謝料額や禁止事項等)、今後の裁判への進め方、費用に関すること等を確認し、代理人契約を締結します。着手金と諸々の費用(預り金)を支払い着手となります。

Step 5 交渉の開始

一般的に浮気相手にいきなり訴状を送り裁判ということにはなりません。先ずは「交渉による請求」という方法で、相手方に内容証明郵便でこちらの主張を伝え慰謝料を請求します。

そこで示談交渉が成立し示談書と慰謝料の支払いが完了したら交渉は終了となりますが、相手側からの支払い拒否や無視、双方の主張する慰謝料額の乖離等で交渉が成立しない場合、希望により「裁判」に移行され訴訟提起となります。

Step 6 裁判への移行

民事裁判への移行を決意したら、早速弁護士が訴状を作成し管轄(原告住所地、被告住所地、不貞の発生場所のいずれか)の裁判所に提出されます。

提出から1〜2ヶ月後、裁判所の審議のすえ第1回口頭弁論期日が決定し、訴状一式が相手方に送達されます。

第2回期日では被告からの反論・反証、第3回期日では原告がそれに対する再反論・立証という形で進められ、双方の主張や認識についてどの部分に争点があるのかを明確にし尋問の準備を進めます。

このように、前半は書面による主張と立証が行われるため、当事者が毎回裁判所に出廷する必要はありません。

Step 7 解決

①「和解」での解決

双方の主張が出尽した段階で、裁判官から和解案が示されることがあります。

「和解」という印象から納得いかないと思うかもしれませんが、逆に「今後の接触禁止」や「求償権の放棄」等、金銭以外の条件も柔軟に付帯できることや若干の慰謝料額の調整も可能です。

「裁判上の和解」が成立すると、「和解調書」というものが作成されます。

示談書とは異なり確定判決と同等の効力がありそ、和解調書に定められた慰謝料の支払期限を守らなかった場合、相手の「預金口座」や「給料」を差し押さえることも可能となります。

和解調書に定めたとおり金銭の支払いが履行された場合、今回、不倫慰謝料請求についての案件は基本的には終了となります。

②「判決」での解決

一方、双方の主張や要求が折り合わず「和解」が成立しない場合、「尋問」と言った手続きを経て「判決」となります。

「尋問」は公開法廷で行われますから、本件に何の関係もない一般の傍聴人が、法廷の傍聴席で話を聞いている中、両当事者が顔を合わせ裁判官や双方の弁護士からの不快な質問に答える等、精神的にかなりの負担がかかることとなります。

さらに和解案よりも金銭的に有利な判決となるとは限りませんし「被告は原告に対し〇〇円支払え」とか「原告の請求を棄却する」等の金銭のみの判決になる為、その他の条件は付帯できません。

もし、下された判決に不服がある場合には、控訴(上級の裁判所の判断を求める手続き)するという選択肢もあります。

この場合には、判決を受け取ってからおおむね2週間以内に、高等裁判所(または地方裁判所)への控訴をするかどうかを決めなければなりません。

また、相手方が慰謝料の支払いに応じない場合には「強制執行」という手続を行う必要があり、多くの場合弁護士とは金銭的に別契約での手続となります。

以上のことから結果的に裁判官からの和解案を受け入れることが多くなっています。

浮気相手に対する「慰謝料請求」とは?

不貞行為の慰謝料とは、加害者(不貞行為をしたパートナーとその相手)の不法行為(不貞行為)によって、被害者(あなた)が受けた苦痛や悲しみなどの精神的な損害に対して、加害者から賠償として金銭の支払いも求めるものです。(民法709条)

仮に被害者が受け取るべき慰謝料の金額が300万円であった場合、被害者は誰にいくら請求するかを自由に決めることができます。双方に150万円ずつの請求も可能ですし、不倫相手に全額の300万円を請求することもできます。

しかし、双方に300万円ずつ請求することはできません。また、不倫相手が300万円を支払った場合、不倫相手はパートナーに対して分担を求めることができます。この支払いの分担を求める権利のことを、「求償権」といいます。

夫婦の財布が一緒の場合には,結果として共通財産から支払をしなければならないケースもありますので「求償権を放棄する」という約束を交わし,和解書や公正証書に条項として記載することによって不倫相手は求償権を行使できなくなります。

慰謝料ってどのくらい請求できるの?

不貞行為による慰謝料の相場は、被害者側が受けた損害の状況によって様々ですが、一般的に50万円〜300万円と言われています。

慰謝料の算定においては、被害者の精神的な損害、養育している子供の有無、妊娠の有無、不倫の期間や程度、夫婦が別居や離婚に至ったかなどが影響しています。

当然のことながら別居や離婚はしないけれど慰謝料請求したいという場合には、損害の程度から高額な慰謝料にはならないと思われます。

また、不貞を立証することを目的として探偵業者に依頼した調査費用や弁護士費用は、一部請求できる可能性があります。

慰謝料請求に必要な証拠とは?

共同不法行為である「不倫」―「不貞行為」は、夫婦間の「貞操義務」に反する違法な行為です。

パートナーと不倫相手との間に性行為・肉体関係があったことを証明する方法として、一定時間の滞在を証明するラブホテルへの出入りの画像が挙げられます。

近年、芸能人や政治家がシティーホテルやビジネスホテルのほか、不倫相手の自宅で逢瀬を重ねることが話題になっていますが、それによって肉体関係を伴っていないと主張しても、その行為が夫婦の共同生活を破壊させる可能性のある行為であれば、慰謝料の請求が認められる場合もあります。

不倫相手との性行為が合ったことを関連付ける会話を収めた音声データやLINE等の画面、旅行先での領収書等、第三者が不貞を推認でき得る多くの間接的証拠を揃えることが重要となります。

また、慰謝料請求された側からの予想される反論に対しての準備も必要となります。

例えば「不貞関係は1回だけである」と言った反論には、ホテルや互いの自宅へ複数回出入りしたことを証明する映像を、「相手は独身だと思っていた」という反論に対しては、不倫相手と会っている際にパートナーが結婚指輪の有無、不倫相手の勤務先の特定等、既婚者であることを知り得ない環境になかったことを証明するものが必要です。

弁護士費用ってどのくらいかかるの?

弁護士法の改正に伴い、日本弁護士連合会及び各単位弁護士会は、平成16年4月1日より(旧)日本弁護士連合会報酬等基準(以下「旧規定」といいます。)が廃止されましたが、旧規定に基づいて報酬契約を締結している法律事務所は多く存在しています。

弁護士費用の種類

一般的に、慰謝料請求等の訴訟案件の際、弁護士に支払う費用の種類としては、「相談料」「着手金」「報酬金」「手数料」「日当」「実費」などがあります。

事件の内容(当事者間の争いの有無や難易度の違い)によって、金額が異なります。弁護士に依頼するときには、総額でどの程度の費用が必要になるのか、よく確認するようにしてください。

なお、裁判所へ納める費用や交通費などの実費は別途必要になります。

【一般法律相談料】

30分ごとに5000円以上2万5000円以下

【着手金】

着手金は弁護士に事件を依頼した段階で支払うもので、事件の結果に関係なく不成功に終わっても返還されません。

事件の経済的な利益の額によって次のように定められています。

300 万円以下の場合 経済的利益の 8%
300 万円を超え 3000 万円以下の場合 5%+9 万円
3000 万円を超え 3 億円以下の場合 3%+69 万円
3億円を超える場合 2%+369 万円

※着手金の最低額は 10 万円

【報酬金】

報酬金というのは事件が成功に終わった場合、事件終了の段階で支払うものです。成功というのは一部成功の場合も含まれ、その度合いに応じて支払いますが、まったく不成功(裁判でいえば全面敗訴)の場合は支払う必要はありません。

事件の経済的な利益の額によって次のように定められています。

300 万円以下の場合 経済的利益の 16%
300 万円を超え 3000 万円以下の場合 10%+18 万円
3000 万円を超え 3 億円以下の場合 6%+138 万円
3 億円を超える場合 4%+738 万円

※(実費 日当)

実費は文字どおり事件処理のため実際に出費されるもので、裁判を起こす場合でいえば、裁判所に納める印紙代や予納郵券(切手)代、記録謄写費用、事件によっては保証金、鑑定料などがかかります。

遠方の裁判所への出張を要する事件については交通費、宿泊費、日当がかかります。

上記報酬基準をもとに依頼者Aさんの実例で算出した弁護士費用は下記の通りです。

例 依頼者(妻)A さん

夫の不倫相手Bへ慰謝料請求するため、管轄する裁判所付近の法律事務所に所属する弁護士Cと代理人契約を締結しBに対し不倫慰謝料として300万円を請求した。

裁判の結果、BはAさんに対して150万円の支払いが命じられ、後日支払われた。(初回相談の際に代理人契約を締結したため相談料の支払いは無いものとする。)

(着手金)

  • 300万円×8%=24万円
  • 消費税 2万4000円
  • 小計  26万4000円

(報酬金)

  • 150万円×16%=24万円
  • 消費税 2万4000円
  • 小計  26万4000円

(実費)

  • 損害賠償請求印紙代  3万円
  • 通信費・コピー代 5000円
  • 小計     3万5000円

合計 563,000円

弁護士の選び方

知り合いの紹介やHP等探し方は様々ですが、重要なのはいかにして自分に合った弁護士に出会えるかと言うことです。
少なくとも裁判の前には何度か打ち合わせをする必要があります。場合によっては長い戦いになることもあります。その度に新幹線や飛行機で来てもらうとなれば日当や交通費も掛かります。

裁判所の周辺には多くの法律事務所が所在しているので、生活圏や管轄する裁判所の周辺で探してみると良いでしょう。

「コミュニケーション」は互いの信頼関係に繋がります。有名な法律事務所なら安心とか、元検事だからといった肩書ではなく、自分の話をよく聞き、有利なことも不利なことも包み隠さず話してくれる弁護士を見つけることです。

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