なんちゃって反省

家庭裁判所で第1回目の本人尋問があり、別居から3年8カ月ぶりに夫と再開しました。

これまで様々な場面で病魔に侵されていると言っていた夫ですが、少し太ったようにも見え、弁護士の制止を振り切る勢いで元気よく喋りまくっていました。

おかげで1時間半で終る予定の原告(夫)側の尋問は、3時間にも及び、私の尋問は次回に持ち越しとなってしまいました。

この日、夫が強調していたのは浮気発覚後の反省ぶりについてでした。

「妻を傷つけたことを心から反省し・・・」

そんな言葉が夫の口から出た瞬間、”プフッ”と吹き出しそうになりました。

”正しくは「反省した振りをしていた」でしょ?”

確かに浮気発覚当初夫は、「断ることなどできない」と言っていた飲み会も断り、毎日まっすぐ帰宅していました。

まるで嫌がらせのように・・・

また、”自由に使えるお金があるから浮気する”との理由から、夫に給与振込口座の通帳の引き渡しを求めたところ、結婚後初めて私に管理権を譲ったのです。

しかし、その裏にはこれまでの裁判で明らかとなった驚愕の事実が隠されていたのです。

夫は私にその通帳を手渡す直前、密かに勤務先近くの銀行に、株の売却代金やら何やらを送金する為の所謂”ヘソクリ口座”を作っていたのです。

後に裁判所を通してその銀行に取り寄せた取引履歴情報を見ると、私が管理をし始めた頃から、夫は振り込まれた株式の売却代金から、1~10万円前後の現金をちょこちょこと引き出していたのです。

調停で頑なにその通帳の開示を拒み、早期決着を求めていた理由のひとつはそこにあったのです。

結局浮気発覚から3カ月後、私の家計管理に何やかんやと文句を付け、せっかく手にした生活口座の通帳ははく奪されてしまいました。

そのことについて、先日の法廷尋問で「家計管理が自分の手に戻ってきて嬉しかったですよ」と口走った夫に、すかさずこちらの弁護士が「家計管理が戻って嬉しかったのですね?」と突っ込みを入れるという場面がありました。

冒頭、「経済的暴力など断じて無かった」と主張する夫は、思わぬところで墓穴を掘ってしまったのです。

浮気発覚から半年後、”なんちゃって反省”によって十分に罪は償ったと勘違いした夫は、再び水を得た魚のように夜の街へと元気に返り咲いて行きました。

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