入籍

今日もよい天気で何よりでした。
私達の新居での生活が始まったその日はとても良い天気でしたが、気持ちの中はどんよりしていました。
会社から「新居となる部屋を社宅申請をされたので、今月中に入籍の手続きを済ませて下さい」と言われ、同居から2週間後、区役所に婚姻届を提出に行きました。
記入した婚姻届を窓口に提出し、結婚が成立してしまったのです。
離婚の為に長い歳月とお金を費やしている今、結婚とは何て容易い事なのだろうと思ってしまいます。
この日から私は人妻となり、これからは良き妻として夫を支えることが私の使命であると自分に言い聞かせた瞬間でもありました。
そして、これからの生活について様々な取り決めを交わしました。
家事は妻である私の役目であること。
夫が帰るまでは起きて待つこと。
家計について、私の給料は全て夫に渡しその中から小遣いとして月額1万円を使っても良いこと。
夫の小遣いは月額4万円として残りは夫の管理する証券口座に入れること。
その他諸々の不平等な取決めが交わされました。
当時、夫とは同じ会社で働いていたものの、高卒で22歳の私の給料は営業職の夫よりも少なく、小遣いが少ないのは仕方がないと思っていました。
当然ながら月額1万円の中から昼食代や化粧品や消耗品などの購入は難しく、昼食はいつもコンピューター室の隅でカップラーメンをすすっていました。
仕事が終わればすぐに帰宅し、夕食の準備や掃除や洗濯を済ませ夫の帰りを待つ毎日。
布団に入ってもすぐに眠れるわけでもなく、私には全く興味のない脳科学の本を夫と交互に読み聞かせをさせられました。
翌朝5時には起床し、身支度と朝食の支度を済ませ、夫を起して6時には出勤という生活が続きました。
普通なら結婚式を間近に控え幸せの絶頂期であるこの時、いつしか私は自分の生きる意味がわからなくなっていました。
そんな暗く重い気持ちのまま、結婚式当日を迎えるのでした。
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