夫が包丁を手にした日  ~ラーメン編~

結婚11年目の春、夫の浮気が発覚し私にとって人生最大の試練となるはずでした。

が、それを上回る事件が次々と襲い掛かってきたのです。

とある休日の昼、浮気の反省も頭の中から完全に消え失せた夫は、ダイニングテーブルで自作の味噌ラーメンをすすっていました。

その前方には私の飲みかけのコーヒーが。

私が席を外しているほんのわずかな時間、夫はそのコーヒーの中に自分の食べている麺を入れたのです。

何も知らずにそれを飲んだ私を見て、夫は大爆笑していました。

何とも言えない嫌な口あたりが消えず、コーヒーは片づけました。

ふと見ると、夫のラーメンどんぶりの横には牛乳が。

「知ってる?味噌ラーメンに牛乳を入れると美味しいんだよ」と私が色付け程度にどんぶりに注いだ途端、夫は突然「てめー、ぶっ殺すぞ!」と叫びながらキッチンの水切りかごの前にあった文化包丁をとり、左手で私の襟首を掴むと、右手に持った包丁を私の左顎下の首筋に突き付けてきたのです。

長い時間その体勢でのにらみ合いが続き、ようやく突き付けた包丁を置いた夫。

コーヒーにラーメンは笑って済ませられるが、ラーメンに牛乳は殺すべきなのか。

傍で見ていた当時小学校6年生の長女の目にはいったいどんな光景が映ったのでしょう。

このような事件はその後も度々起こったのです。

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