妻の反乱

作戦決行の朝は、いつもの光景でした。

違うところと言えば、その日は当時小学校高学年になる二人の娘達が、春休みを利用して私の実家へ泊まりに行くことになっていました。

朝食を済ませ、各々準備を整えると昼頃に到着するよう私達は家を出ました。

私も途中駅まで同行し、最後の乗り換え駅のホームで娘達の乗った電車を見送りました。

そこは緩やかにカーブしたホームのため、ドア付近のガラス越しにいつまでも手を振る二女の姿が見え、私も見えなくなるまで手を振り続けました。

”ママはこれから闘ってくるよ”

母親から妻になった瞬間でした。

帰宅後、いつものように部屋の掃除を済ませたところまでは記憶に残っています。

夕方、気付いたら夫の勤務先の正面玄関付近の路地に立っていました。

”私と娘が実家に帰ったと思っているからには、夫は必ず”誰かと飲みに行く!”

その予想は当たり、午後6時30分に会社の正面玄関から同僚と思われる男性数名と出ると、そのまま会社付近の焼き鳥屋へ入って行きました。

”どうやら今夜は浮気相手には会わないだろう”

そう思った私はそのまま帰宅し、作戦決行となりました。

午後9時、誰もいないリビングのソファで浮気相手の自宅へ電話をしました。

父親と思われる男性が出ると、「娘はまだ帰っていない、11時頃帰ると思う」との事。

友人を装った私に何の警戒もせず、対応していました。

 

午後11時、浮気相手が帰宅していると思われる時間になり、再度電話を試みました。

すると浮気相手(以下「愛人M」と記す)と思われる女性が出ました。

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