弱り目にプロポーズ

夫が私の両親に挨拶した後、私達の交際が始まりました。
当時、バブル全盛期のカップルと言えば休日にはゴルフやスキーを一緒に楽しむといった事が普通に行われていたと思うのですが、私達もそのようなカップルだったと思います。
その頃、勤務していた会社にはリフレッシュ休暇というものがありまして、3月の終わりにその休暇を利用して私と夫はスキー旅行に行きました。
そこでのスキーの最中、私は転倒して肋骨にヒビが入るといった大怪我をしてしまいました。
休暇明けの朝、痛々しい身体で出勤した私は周囲の様子がおかしいと感じました。なんと私のデスクの上に社内通達の紙が一枚、そこには私の移動が発表されていたのです。
と言っても本社内の部署の移動でビルが変わるだけでしたが、移動先には社内でも有名なお局が在籍していたのです。
怪我と移動のダブルパンチでその後の事はよく覚えていません。
通達から一週間後、移動先での勤務が始まりました。
噂どおりのお局ぶりで心身共にクタクタになって帰る日々が続きました。
気付くと身体の様々な部分に異常が見られ、とうとう病院通いとなってしまいました。
”何が楽しくて生きているんだろう”そんなボロボロの身体になったある日、夫の前で”結婚しちゃおうかな~”という言葉が独りごとのようにポロっと出てしました。
それを聞き逃さなかった夫は”待ってました!”とばかりに私にプロポーズ。
もうどうにでもなれといった気持ちでOKの返事をしてしまったのです。
長い悲劇の始まりとも知らずに・・・。