提訴への決意

土下座したことによって強気になったのか、父親の口から耳を疑うような言葉が飛び出したのです。
「もうこれ以上娘を責めないでよ、あんまり言うと死んでしまうかもしれないから。それに裁判ともなればお金もかかるし・・・」
ふざけるな!!!!
「死にたいのはこっちです。あなた達にとってはこれで全て終わりかもしれないけれど、私達家族はこれから先の見えない冷え切った生活が始まるんです。
あなたにはこれから結婚や出産で幸せな人生が待っているのでしょうけれど、私達家族はあなたと夫が犯した行為によってもはや修復不可能なんです。
あなたはひとつの家庭を崩壊させた責任を一生背負って生きるべきです。これで終わりだなんて思ったら大間違い!」
悔しくて涙が止まりませんでした。
それまで真実が知りたいだけだった私が提訴を決意したのは、まさに父親のその言葉がきっかけだったのです。
何の為の話し合いなのか、もはやこの親子には何を言っても無駄であると思った私は、愛人Mに対し「あなたの顔は一生忘れない。後は弁護士に任せます」とだけ言い残し、その場を去りました。
後に愛人Mに対する慰謝料請求に向けて、舞台は法廷へと移るのでした。