故郷へ

夫には裏切られ、浮気相手の父親からは罵倒され、妻としての自尊心をぺちゃんこにされた私。朦朧としながら実家に預けた娘達を迎えに、電車に乗り込みました。

片道2時間の電車の中、いろんな事を考えていました。

これからも同じ屋根の下でこれまでと変わらない生活を送れるのだろうか・・・。

それができなかったら二人の娘をどうやって育てたらよいのだろうか?

それすらできない自分は生きてる価値があるのだろうか・・・。

そんなことが頭を過ぎった瞬間、徐に途中下車していました。

そこは山間の小さな駅で、4月とは言えまだ冷たい空気が張りつめていました。

ふと見上げると、私が幼い頃父に連れて行ってもらった山が見えました。

上京するまで幾度となく見てきた荘厳な岩山なのに、この時は何故か優しく見えました。

決して裕福な家庭ではなかったけれど、毎日遅くまで元気に遊んだ幼少時代。

お腹が痛くなるまで友達と笑って過ごした青春時代。

バブル全盛期、仕事も遊びもがむしゃらだったOL時代。

お金持ちでなくてもいいから、どこにでもある普通の家庭を作りたい!

そんなささやかな幸せを夢みた結婚。

何故こんなことになってしまったのだろう・・・。

私の幸せを願い、一生懸命育ててくれた両親を悲しませたくない。

そう思った私は両親や娘達の前で泣かないよう、誰もいないホームのベンチで涙が出なくなるまで泣き、再び実家へ向かう電車に乗り込みました。

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