花嫁の反乱 PartⅡ

より良い夫婦関係を築く上でお金に関する取決めは双方の合意が大前提で、収入や支出に関する情報を共有することは、お互いの不信感を生じさせない重要なポイントの一つだと思います。
そんな偉そうに言っている私ですが、そのお金の問題で3年以上も法廷で戦っており、おかげで様々な教訓を得ることができました。
いったいどこでどう間違えてそのようなことになってしまったのか、記憶をたどると既に結婚前にさかのぼることがわかりました。
私の婚約破棄に向けての最初の企てが失敗に終わり、いよいよ新居への引っ越しの日を迎えてしまいました。
夏休みを利用して、夫と私の両親が手伝いに来てくれました。
上京して3年半、暮らしていた独身寮の部屋から運び出された荷物は実家のワンボックスカーに全て入ってしまう程度でした。
お世話になった寮の隣のパン屋さんのおばあちゃんにご挨拶に行ったところ、いつものようにおまんじゅうを一つ持たせて下さり、お互いに涙を流しながらお別れをしました。
そして管理人のご夫婦にお礼を言い、私は夫の車に乗り寮を後にしたのです。
そう、市場へ向かう子牛のように・・・
新居に向かう途中、左折すれば故郷へとつながるという交差点で赤信号の為に停車しました。
まさに人生の分かれ道に立ち”これが最後のチャンス”と思った私は、ドキドキしながらゆっくりと夫の顔を見ました。
つづく