次女の誕生そして退院早々のトラブル

長女誕生の翌年春、私は体調の異変に気付き病院で受診したところ、2度目の妊娠が判明しました。
予定日は来年3月。
身重な体での長女の育児は過酷でしたが、再び女の子を宿したことを知ったときには喜びがあふれたものです。
そして明日から3月というまだ寒い夜、突然破水したため、実家からタクシーで病院に向かいました。
2度目の出産という事もあり、到着後すぐに分娩室に入り数時間後には出産となり待望の次女が誕生しました。
その朝、次女の誕生を祝うかのように雪が降り始めたことが忘れられません。
出産から6日後、実家では長女が熱を出したということで、退院を1日早めて実家へと帰りました。
次女と初めて対面する長女は恐る恐る次女に近寄り、そっと覗きこむその姿は、何か不思議な小動物を見るかのようでした。
直ぐに長女を背負い1キロ程離れた病院へ薬をもらいに行きました。
まだ私が産後から1週間も経っておらず、出血が止まらない状態であることを知った医師からは「大変じゃーん」と、どことなく人ごとのように言われました。
翌日、義母と夫が実家に来ました。
義母は産まれたばかりの二女の顔を覗きこむなり「まぁ、○○(義兄)にそっくりねぇ」と、そこまでは我慢できたのですが、「ありがとうね、産んでくれて」と言われた瞬間、私の中で”プチッ”と何かが切れたのです。
”お前のために産んだわけじゃない!”
「ありがとう」と言われて腹が立ったのは後にも先にもこの時だけでした。
結局、義母は手伝いに来たと言いながら、一度も二女のおむつを取り替えることなく、実家の茶の間で深夜まで一人で酒を飲み翌日の夜、二人は帰りました。
やれやれとつかの間の安心もむなしく、その翌日にはまたもや騒ぎが勃発したのです。
隣町に住む姉が時折実家に小学校1年生の息子をあずけていたのですが、その日も私が甥の面倒を一人でを見ていました。
夕方、姉から「これから迎えに行く」とので電話が入り、「外で待ってる」と言って玄関で靴を履く甥に、私は「直ぐには来ないし、外は寒いから家の中で待ってなさい」と促したのですが、聞く耳を持たずに外へ飛び出して行きました。
しばらくして姉が到着したのですが、周辺に甥の姿は無く、慌てた姉は土足で実家の部屋へ上がり込み、私に「うちの子にもしものことがあったらお前の子供をぶっ殺すぞ!」と怒鳴りこんできたのです。
突然の騒ぎに二人の娘は恐怖で泣き叫んでいました。
暫らくすると姉による通報を受けた二人の警察官が訪ねて来ました。
姉はどこかへ行ってしまったので、私が対応したのですが、何せ生後間もない子供を抱えていながら落ち着きのない甥の世話などできるはずもなく、何が何だか全くわかりませんでした。
暫らくすると、何気ない表情で「あれ、お母さんは?」と甥が現れたのです。
どうやら甥は母親から遊ぶことを禁止されていた実家の裏に住む友人宅にいた為、姉はそこにいるとは考えが及ばず通報したようです。
警察管には私から「お騒がせしました」と丁重にお詫びをし、帰って頂きました。
産後間もないナイーブな身体には、次々と襲いかかるトラブルはあまりにも過酷な出来事だったのでしょう、翌日熱を出して寝込んでしまいました。