孤独な育児、初日のハプニング

二か月ぶりに我が家に帰ってみると、室内は全くと言っていいほど変化はありませんでした。

が、トイレが少し詰まり気味になっていたのです。

次第に詰まり具合が本格的になった翌朝、管理会社へ連絡すると「こちらから業者へ連絡して伺うよりも、ご自分で直したほうが早いですよ」とあっさりと言われてしました。

トイレ以上に私のお腹も次第に限界となり、自分で直そうとしたのですが、まず修理をするための道具であるラバーカップが無いことに気付きました。

夫は出勤してしまったし、残暑厳しい炎天下で生後一カ月の子どもを連れ出すわけにもいかず、勇気を出して私一人で買いに行くことにしました。

眠っている我が子の顔を確認し、「ごめんね、すぐ帰るから」と、幹線道路をひたすら走り、最寄の雑貨屋へ飛び込みました。

「すみません、ラバーカップください!」

運よく最初の店でGETし、再び幹線道路を走りました。

”いきなり生後一カ月の乳児を置いて買い物なんて・・・どうか死んでいませんように”と祈りながら、何の包装もされない裸のラバーカップを抱えてひたすら走りました。

飛び込むようにして自宅へ入り、ベビーベッドの中をおそるおそる覗いてみると、子どもは何事も無かったようにスースーと眠っていました。

安心すると同時に汗が吹き出しました。

休む間もなく早速トイレに入り、修理に取り掛かりました。

買ってきたばかりのラバーカップを便器に突っ込み、スポスポと数回押したり引いたりしているとふと手ごたえを感じ、その直後に滞っていた水が一気に引いたのです。

ホットすると同時に夫に対する怒りが込み上げてきました。

どうして私達が帰ってくる前に直しておいてくれなかったのだろう。

たった一人での育児が始まる不安いっぱいのこの日、それをはるかに上回る大きな懸念材料を夫から突き付けられたような気がしてなりませんでした。

それ以降もこのようなことは度々起こり、いつしか夫に対して何の期待も持たなくなりました。

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